第2章 お互いがお互いの幸せで
飛王との闘い後、玖楼国のお城にて怪我を癒すことに専念していた。
にも一室をいただき、安心して体を休めることができていた。
その部屋に唐突にノックの音が響いた。
「ちゃんー、ちょっといいかな?」
「ファイさん!もうお怪我は大丈夫なんですか?」
「おかげさまでー。ちゃんこそ大丈夫?」
「何とかです」
「それならさー、ちょっとお散歩しない?」
「お散歩?」
二人は城を出て、街中を歩くことにした。
玖楼国の城下町は平和そのもので、先日までの旅と比較すると現実感がないほどだった。
その中をファイは黙々と歩いている。
も、ファイに続いて黙々と歩く。
沈黙がつらいとまでは思わないが、さっきから背中しか見えないファイの意図が読めず、とうとうは口を開いた。
「ファイさん、どこ行くんですか?」
「うーん、決めてないんだよねー」
「え、そうなんですか?」
ファイはやっと立ち止まって、の顔を見た。
には、ファイの綺麗な蒼の瞳が揺れているように見えた。
しかし、それも一瞬。
すぐに、ファイはいつもの笑顔で
「ちゃんはこれからどうするー?」
と言った。
「え、これからですか?」
「そうー。玖楼国は本当に良いところみたいだし、ここでずっと暮らすっていうこともできるだろうし。
旅を続けるっていう以外もあると思うよー」