第6章 Call my name
結局、今夜もまたファイとは同室だ……。
今までの旅の最中にだって、ファイとが2人きりになるタイミングはいくらでもあった。
ただ今はもう思いを告げてしまっていて、その事実がの顔を赤くし、行動を不審にさせ、心臓を速くさせている。
は、わざとらしいくらいにファイの布団から離して、自分の布団を敷いた。
「ちゃーん、流石にそんな端っこまで行かなくても良くないー?」
「いえ、大丈夫です!私はここで!」
「オレ急に襲ったりしないよーぅ」
と言いながら、ファイはを押し倒した。
「え、ちょ、ファイさん!?」
発言と行動が全然噛み合っていないファイに、は抗議の声をあげる。
「襲わないって約束するからさー……
飲ませてほしいな、……血」
「あ、それは勿論です。
ファイさん、お腹空いてたんですか?」
「うーん……まぁ、全く空いてないと言えば嘘だけど、どちらかと言えば……
食欲より性欲かなー?」
台詞はいつも通り間延びしてふざけているようなのに、いつもより少し低い声には体の奥が疼くように感じた。
ファイも何処か性急に、の襟元を開けさせた。