第3章 はじめましての訓練
ホークスは毎朝、が起きて間もなく部屋へ顔を出した。
「おはよう、ちゃん。今日の体調はどう?」
彼の声は他の大人とは違う。
優しくて、柔らかくて、でもどこか子どもっぽい無邪気さもある。
が答えなくても、彼は無理に言葉を求めなかった。
「うん、なら無理しないでね。今日はゆっくりメニューにしよっか」
そう言って笑う。
その笑い方は、の心を壊さないように選ばれた“安心させる笑顔”だった。
彼の赤い翼は、廊下を歩くたびにふわりと風を起こし、
羽の先端が光を受けてきらっと瞬く。
その光は、不思議との心を少し温かくした。