Welcome to『Whale Hole』 u/s/s/s
第1章 Welcome to『Whale Hole』
「……どうしたの、急に。そんなこと……言われても……(何を言いたいの……?私、何かしてしまった……?)」
う:「表の顔を取り繕うのって疲れるじゃん?でも、なら……俺たちの全部を見せても良いかな思って」
「俺たち…?全部…??…うらたさんが今、何を求めてるのか……私、わかんないんだけど…」
うらたはその“逃げ道”を許さない。の目をじっと見下ろし、言葉を落とす。
う:「じゃあ、言うわ。……俺らの裏の顔、見て欲しいんだよね」
の心臓がひとつ跳ねた。そして、返答を待つ間もなく、扉が開く。
志麻、坂田、そして最後にセンラが帰ってきた。楽屋はいつもの空気に戻ったように見えたが、4人の視線だけは違っていた。
志:「おー、お疲れ。まだおったんかい(笑)」
坂:「ギリまで仕事やってんの、ほんま真面目やな!」
が苦笑しながら肩をすくめたその瞬間──センラが一歩、距離を詰めた。
普段なら軽口のひとつでも返してくる彼が、妙に静かで、真剣な目をしていた。
セ:「……。ちょっと、ええか。その前に──こいつらとも、ひとつ話合わせときたくてな」
センラが言うと、志麻と坂田、うらたが視線を交わす。
まるで“今から渡すもの”を全員が共有しているような、妙な統一感があった。
志:「まぁ、ここまで来たら隠す理由もないしな」
坂:「うん。には……ちゃんと知っといてほしいことがあるんよな」
その言葉に続くように、うらたが静かに前へ出る。
視線だけで「あの続き」を示すように。
う:「……さっき言ったでしょ?“裏の俺らを見て欲しい”って。あれ、俺だけの気まぐれじゃないんだよね。4人で話して……同じ答えになったからさ」
4人の声のトーンが、不思議なほど揃っている。
軽口でもなく、冗談でもない。
準備された“ひとつの答え”を共有している空気。
そしてセンラが、にもう一歩近づく。