第2章 奪われた初恋と手に入れた女
仁美の口が直哉のモノを含んだ時。
仁美の後頭部を掴んでいた指はその髪を絡めた。
口淫の音が水っぽく部屋の中に響いた。
その音は仁美の必死さを表しているのに、絡んでくる舌はさほど気持ちよさを感じない。
何度教えても、ぎこちない舌の動きに、直哉は仁美の頭を下半身に押し付けた。
急に喉の奥に当たり、仁美の唇からこもった声が漏れた。
「……お嬢様はなんべん教えても、上手に咥えられへんねんなぁ。」
別に仁美に奉仕をさせたい訳じゃ無かったので、それでもよかった。
快楽のための奉仕を希望するなら、仁美じゃなくても良い。
直哉は仁美の口から抜き出すと、仁美を抱き上げベットに沈めた。
口元に残る体液を拭きながら、仁美は直哉を睨むように見上げた。
反抗的な仁美の目線すら、直哉を悦ばせる。
この綺麗な顔が快楽に歪むのを見るのが好きだった。