第9章 揺らぐ灯と交わらぬ影
「直哉……嫌やって言うとるのに、なんも聞いてくれへんの?」
今は嫌だと言っていることも。
他の女を抱かないで欲しいことも。
結局なにも応えてはもらえない。
「そうやな……出来へんから、今こうしてお前の機嫌取っとるんや。分かるやろ?」
直哉は仁美の顔を見て、邪魔な頭を掻き上げた。
見えた仁美の顔に唇を落として、頬や唇に何度もキスをする。
そんなことで到底許せるはずもないのに、許しを乞うそのキスに仁美は直哉の背中に手を回した。
「… 仁美。体勢変えるで。」
直哉は挿入したまま仁美の体を持ち上げた。
「あっーああっ!」
直哉に必死に掴まっても、重力に負けた体に直哉のモノが奥深く入っていく。
「うっ…直哉…奥までっ…。」
「動くで…しっかり掴まっとれ。」
仁美の背中にひんやりした浴室の壁がぶつけられた。
それ以上逃げられない体に、前から直哉に突き上げられる。
互いの体を叩く音と、繋がり擦られる水音が浴室によく響いた。
その音と一緒に仁美の声もどんどん高くなる。