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【NARUTO】夢見が丘【トリップもの/中編】

第2章 トリップ出来たんですけど




『…お父さん…髪の毛どうしたの?』
「あぁおはよう。ん?なんだ?」
『え…だって…色が赤いよ…』
「そんなのは生まれつきだろうが。なんだまだ寝ぼけてるのか?あはははは」

そっか…そうだっけ…。





ん・な・わ・け・な・い!!






──────────……


おそらく自分の部屋であろう部屋に入り、扉を背に脱力するかのように私、
太巻(うずまき)瑠璃はへたりと座り込んだ。

人間、究極に理解できず、頭が真っ白になると、パニックを通り越して冷静になるとかならないとか…お偉い学者さんがテレビで話していたような……。

さて、これはいかがなものか。
窓から見えるはずの、朝イチセールが主婦にはたまらないスーパーはどこへやら…何とも田舎くさいこの町並み。
通りすぎる人の服装も…何だろう…。
時代劇…というほどの感じではなく…
ん~…。

『あ、NARUTOに出てきそうな服装なんだよね…。』

窓の縁に力なく項垂れた私は、とりあえず昨日の出来事を思い返してみることにした。



―――……



いつもと変わらない毎日。
同じ時間に起きて、同じ時間に出社する。
小さな会社で、特に問題なく、毎日同じ事務仕事。

そう、毎日変わらない平凡な日々。


昔から体が弱いほうで、学校も何かと休みがちだった。
病弱なのが守ってあげたくなると、何人かの男子に告白されたこともある。
そのせいか、女子からはあまりよく思われていなかったようだ。
俗に言う…いじめ。

――瑠璃って鈍感だから、無視されても気づいてないんじゃないの?――

そんな風に言われてた。
気づいてないわけがない。
気づかないふり…鈍感なふりをしていただけ。

――分かる分かる~。ポワポワしてて能天気そうだもんね。可愛いからみんなに人気あると思ったら大間違いだよね――

能天気…。
可愛い…。
とんでもない。自分自身に自信をもったことなんてない。
友達らしい友達なんて出来たこともないし、人と関わることにいつしか臆病になっていった。

誤解だよ。
そんなことないの。

私の言葉は届かなくて、その本音さえも悪くとられる…悪循環。
それなら本音を殺せばいい。
嘘の仮面を被ればいい。

平凡な日々…嘘の…日々。
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