第6章 空白の時間
「変わってないな…。」
着替える為に立ち去った瑠璃の後姿を眺めながら、ヤマトは静かに溢す。
その様子を先程から変わらず同じ視線を向ける二人に気づき、ヤマトは訝しげな表情を浮かべた。
「ヤマト隊長…。結局のところどういった関係なんでしょう!?」
「ヤマト隊長…。結局のところどういった関係なんだってばよ!?」
瑠璃が居たことで遠慮していた二人だが、その枷がなくなり、気になって仕方のなかった思いを曲げることなくストレートにぶつけるのだった。
その質問を受け取ったヤマトは、先程から向けられる二人の怪しむような視線の正体を知り、一つ溜め息をつくと呆れた様子で答え始めた。
「あのねぇ…。君達が期待しているような事はないよ。簡単に言えば幼馴染ってところだよ。僕と太巻は」
ヤマトの返答に、チッと舌打ちし、さっさと肉を焼き始めるサクラ。
恋の話にならなかったことが面白くなかったようだ。何だかんだ言っても年頃である。
「でもさでもさ…、ヤマト隊長とさっきの…瑠璃ちゃんって、何か接点なさそうだってばよ」
「あ~確かに。私も気になってました…二人の馴れ初め♪」
先程まで仏頂面で肉を焼いていたサクラだが、ナルトの質問によって、新たな楽しみを見つけたようで、ニコニコと話題に入り込んできた。
はぁ…と、またひとつ溜息をつくと、
たまにはいいかと、ヤマトは自分と瑠璃との過去の話を語り始めた。