第1章 チョコレート大戦争【水神姫シリーズスピンオフ】
「目標発見…追跡する」
今年は珍しく大雪となり、木ノ葉の里は一面雪景色となった。
降り積もった雪に喜び、遊びまわる子供達、寒さからかぬくもりを求め会うように寄り添って歩く恋人達が行き交う里を、木ノ葉の忍が忙しなく飛び交っていた。
「目標…うずまきナルトを連れています。何やら製菓製品を買うようです!」
「いいか…絶対に悟られずに追跡しろ!」
目標に悟られないよう、細心の注意をはらい尾行作戦を実施していく…里の独身精鋭達。
「マイさんからのチョコをもらいたいかー!!」
おぉーーー!!!
「義理チョコでもいい!だが…本命チョコを目指すぞ!!」
おぉーーー!!
『なんかあったのかな?』
「どうしたってばよ?マイ姉ちゃん」
ナルトと仲良く手を繋ぎ、買い物にきていたマイは、建物から建物を飛び回る忍達を気配で感じとり、足をとめた。
一般人と信じてやまない忍達は、マイに気づかれていることも知らず、その動向を監視し続けていた。
突然足をとめたマイに問いかけるナルトへ、『何でもないよ♪』と返す辺り、自分を追跡しての騒ぎとまでは気づいていないようだ。
色恋沙汰には鈍感すぎる木ノ葉の水神姫である。
水流園マイが、まだ皆に真実を打ち明ける前に、遡る…
2/13。バレンタイン前日の出来事であった。