第6章 受け継がれる想い
『え…はたけカカシ先生?』
「おう!でもなんか変な先生だってばよー。顔なんかほーとんど見えないし!
オレの仕掛けた黒板消しのイタズラに引っ掛かるし…」
ブッ!
「うわぁ!?マイ姉ちゃん味噌汁ふくなよ!きたねぇ!」
『ケホッ…ご、ごめ…』
イタズラに引っ掛かるカカシを思い浮かべ、思わず味噌汁をナルトに向かって吹き出すマイ。
(カカシわざとだろうけど…おっかしぃ…)
笑いをこらえて、ナルトへ続きを促す。
「でさでさ!明日試験だっていうんだよ!しかも…超難しいって…オレってば、卒業したら下忍だと思ってたから…へこむってばよぉ」
しゅんと小さくなるナルトをみて、
マイは優しく微笑む。
『火影に…なるんでしょ?
こんなこと、天下のうずまきナルトには、へっちゃらよ♪
私は信じてるよ…』
信じてる。
自分を見てくれる人が一人でも居ることに、ナルトは胸が熱くなった。
「そうだってばよ!!!
オレってば、ちょちょいのちょい!っとクリアしてみせるってばよ♪ニシシ」
単純だなぁ…と、思いながらも
ひた向きな純粋さに、マイは
心から応援したいと、改めて感じていた。
(それにしても…最近、カカシに会わないな…。顔を会わせても、どことなく素っ気ないような…)
アスマを連れて受付を出ていったあの日から、ろくに話していないことに気づく。
イルカ先生が退院し、事務所の前で話しているときも、会釈だけして終わったり、あれほど話しかけられていたのが
嘘のようだった。
「…ちゃん……姉ちゃん…マイ姉ちゃん!?」
『あっ!ご、ごめん。』
「だから!明日見に来てくれよ!」
…………………え?
なんと?見にこい?
マイがカカシの事を考えてボーッとしていたのを、ナルトは自分の心配をしているのだと捉えたらしく、
演習を見に来い…という結論に達したようだ。
「オレってば、頑張るぞぉ!」
勝手に盛り上がるナルトに
『迷惑になるから行かない』とは
言えず、火影に確認をとり見学することに決まったのだった。