第4章 闇と光
マイは救われた気がした。
血に染まりすぎているのではないか、
そう、自問自答することもある。
見失いかけていないか
あの日カカシにかけた言葉を。
ギュ…
『イルカ先生が…無事でよかったです』
イルカの手を握り、本心からそう伝える。
こんなに素敵な人がナルトの理解者になってくれたこと、
里の暖かさを感じることが出来たこと、
マイは嬉しかった。
イルカに申し訳ない気持ちで
会いにきたマイだったが
逆に元気づけられたなぁと
笑みをこぼすのだった。
―――――……
一方、イルカは
突然握られた手に、心臓が跳び跳ねそうになり、更に自分の安否をこんなにも喜んでくれるマイに…
もしかして…マイさんも俺のことを…
なんていう、儚い希望を見いだしていた。
「あ…あの!マイさん!俺実は…」
「実は…何ですか??」
うわぁああああ!!
と、悲鳴をあげるイルカの目の前に
突然現れたのは
『は、はたけ上忍!?』
唐突に現れたカカシに
マイも驚きを隠せない。
「随分と…仲が良いんだね~?」
先程から繋ぎっぱなしのイルカとマイの手をジトッと見る。
「あ!!いや…これは…」
焦るイルカだが、マイは素知らぬ顔で
『はい!仲良くなりました♪』
と、悪びれる様子もなく言ってのける。
天然とは末恐ろしいものだ。
イルカは顔を真っ赤にして、
え!え!え! とややパニックである。
『ナルトの先生ですし…それに…
私、改めて里のみーんなが大好きになりましたから♪』
「「…………え?」」
ニコニコと笑うマイに
固まる二人…。
カカシは、何やら思い付いたのか
マイに近づき、
「マイちゃん。手つないでくれない?」
と問うと、
ん?突然変ですよ?
と言いつつも………握る。
ガックリと項垂れるイルカに
誇らしげな顔を見せるカカシだった。