第2章 水神姫
状況を把握しきれない少年は
オロオロと落ち着きのない様子で
二人を見ていたが、
『そうなの!もう、友達になったの。
ね、うずまきナルト君♪』
突然名前を呼ばれたことに、
更に驚きを隠せないでいた。
「な!なんで俺の名前…」
同様するナルトに向き合ったマイは
満面の笑みで
『だってね、
私、ナルト君のファンなんだ♪』
そう告げると、
驚いていたナルトも、つられるように
笑顔をこぼした。
その後、落書きがばれたナルトが
火影にこっぴどく叱られたのは
言うまでもない…。
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お前に逢わせたい者がおってなぁ…。
『前に話してくれた、九尾の子??』
うむ。
じゃが、あやつは人との付き合いが
苦手での…。
『違うわ…ひー爺様…。
皆がそうさせているのよ…。
彼は…ナルト君は、感謝されど
憎まれる必要はないのに…。』
そうじゃな…。
四代目も、それを願ってのこと
じゃったのだが。
『私ね…ひー爺様から話を聞いてから
ナルト君に会いたかったの。
小さな体で、懸命に前に進もうとしてる…
運命に抗おうと、必死に、
それこそ死にものぐるいで生きてる…。
だけど、すごくすごく寂しいのだと
思うの…。
認めてほしくて…
愛してほしくて…
そんなナルト君を尊敬するわ。』
やはり、マイに話してよかった。
あやつを認めてくれるものに
なってくれると思ってな…
じゃが、ナルトは
イタズラがすぎるし、態度はでかいし
仕舞いには、火影になるとまで
言いだしてのぉ。
『あはははは♪火影って…凄いじゃない。
きっとなれるよ…
だって、ナルト君は…』
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『…太陽だもの…』
カーテンの隙間から差し込む朝日に
眩しそうな表情を浮かべ、
女性の部屋にしては
物の少ない、片付いた部屋のベッドで
起床したマイは
背伸びをして、カーテンを開ける。
『懐かしい夢…
あの時…ナルトが6歳?
もう12歳だもんね…はやいなぁ』
もうひとつ背伸びをしたマイは
仕事に向かう為、準備をはじめた…。