第15章 写輪眼
勝敗が決した場内に、ナルトの威勢の良い声が響き渡る。
呪印の力を、ねじ伏せ勝利したサスケ。
安堵する者、驚愕する者…。
場内に居るほとんどの忍は、皆サスケの実力…否、うちはの力に注目していた。
(写輪眼…大蛇丸との戦闘で開花したか…。)
マイもまた、サスケの実力を冷静に分析していた。
チャクラを吸い取るヨロイと交戦しつつも、呪印を暴走させない為に、チャクラを練る事が出来ない戦いの中、サスケは体術を織り交ぜて勝利した。フィニッシュに繋げた技は、恐らく先日リーと組み合った時のものであろう事は、その場に出くわしたマイは、すぐに理解した。
しかし、コピーすればすぐに出来るというわけではない。日々の鍛錬、体術センスが伴わなければ、不可能である。
それに加え、暴走しかけた呪印を自らの気力で押さえ込んだサスケの精神力の強さ。
マイはあの時賭けた、サスケ自身の精神力の強さは、やはり間違いではなかったと安堵しつつも…、決して拭えぬ不安感が、虫唾のように身体を取り巻いていた。
(イタチへの復讐…。このままだと恐らく…サスケ君は…)
ふと、会場の真ん中にいるカカシと目が合い、サスケへの説明が終わった事を悟ったマイは、こちらを見上げるサスケに、片手を挙げ挨拶する。
試験会場、地下室にてサスケの呪印を封印する為に、カカシ、サスケ、マイは会場を後にした。