第13章 交錯する想い
木々をすり抜けるように駆け抜けるマイは、アンコの姿をとらえ、その場に降り立った。
『アンコ!!何があった!?…呪印が浮き上がって…大蛇丸はどこ!?』
左鎖骨部分につけられた大蛇丸の呪印をおさえ、肩で息をするアンコ。おそらく大蛇丸と一戦交えたのだろうことは容易に分かった。
『つっ…私は何やってんだ!!何が暗部だ!!ちくしょう…』
悔しさから拳を叩きつけるマイ。
「はぁ…っ…水姫さん…。私は大丈夫…です。それよりも…」
ふと近くに降り立つ気配に、マイは目線を寄越すことなく発した。
『遅いじゃないの…』
「すみません。アンコはどうしたのですか!?」
駆けつけた暗部に経緯を簡単に伝える。「大蛇丸」という名に、暗部達の空気が変わった。
「なるほど。では、アンコは俺達で火影様のところへ連れていきます」
「いえ…塔に行って…」
思いがけないアンコの発言に、一人の暗部は声を荒げて反論する。
「何を言ってる!?大蛇丸がこの里に来た時点で、戒厳令が発令されている!試験どころじゃない!」
呪印によるダメージから、苦しそうなアンコだが、途切れ途切れになりつつも、力強く答えた。
「とにかく…詳しい話は塔でするから…。火影様も塔に呼んで…。」
暗部達は、部隊長である水姫に確認をとるように視線を向けた。
水姫が静かに頷くと、全員塔へと向かうのだった。