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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第13章 交錯する想い



―よぉ…
ケガはねぇかよビビリ君…―

―フフ…あの九尾のガキが生きてたとはね…―

―サスケ君!!ナルトは確かにサスケ君と違ってドジで…足手まといかもしんないけど…
少なくとも臆病者じゃないわ!
ねぇ!!そうでしょ!!―

―こんなところで命を懸けられないような奴が…どうして兄貴に勝てるんだ―

―火遁 龍火の術!!!―

―やっぱり私は…
君が欲しい……―

―お前はいったい何者だ!?―





『大蛇丸……。嫌な予感が当たった!何で!!ちくしょ…っ。私としたことが…!!』

所狭しと生い茂る木々の間を疾風の如く駆け抜けるマイは、先程の戦闘を思い返して舌打ちをする。
自分が見ていながら、サスケに呪印を許してしまったこと、うっすらと予感はあったが、まさか本当に紛れ込んでいるとは信じ切れなかった自分の油断、そして何より、大蛇丸の放つ気にひるんだ自分がいたこと。
思わず水流園流体術を使ってしまったのだった。




―私の名は大蛇丸…。もし君が私に再び出会いたいと思うなら…この試験を死にもの狂いで駆け上がっておいで…―



大蛇丸に関する悪い噂はマイの耳にも届いていた。伝説の三忍とも謳われた大蛇丸だったが、いつしか禁術の研究に没頭するようになり、人体実験にまで手を出していたとか…。
サスケを欲しいと言った大蛇丸の言葉に、マイは引っかかりを感じていた。何が目的か、何故今木ノ葉に来たのか、サスケを狙った理由は何なのか…。
確かな答えに到底たどり着くはずもなく、モヤモヤとした嫌な感情に、更に表情を険しくする。


『どこに行ったんだ…!大蛇丸!!』


何より、一瞬とはいえど先程の戦闘で気づかれたかもしれない。よりにもよって大蛇丸に…。
そんな拭えない不安をかき消すように、一段と強く枝を踏み、駆け抜けるのだった。
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