第12章 中忍試験開始!!
移動してきた場所は中忍試験会場になっている、アカデミーの一角だった。
ふと下を見るとナルトが少年へと飛びかかろうとしていた。
マイが咄嗟にナルトを呼ぼうとするのを、ガイが止める。
「大丈夫だ…少し様子をみよう。」
ガイがもしもの為に口寄せ亀をはりつけておいたようで、
教え子のロック・リーがサスケに手合わせを挑んだ事を知っていた。
試験前にも関わらず、様子を見ようとしているあたり、余程教え子に自信があるのだろうとマイはガイの隣で行方を見守る。
ナルトは除け者にされたことに腹を立てて…今に至るのであろうことはすぐに分かった。
『あの子…単純だからね…それにしても』
こんなにも差があるのか。
マイはリーの動きに関心していた。
風貌もさながら、実力も若い頃のガイにそっくりだった。
「どうだうちの教え子は。なかなかだろ?」
『いい身のこなししてる…』
ナルトを打ち負かすと、リーはサスケへと向き合い…戦闘が始まった。
うちはの血を引くサスケに負けず劣らず…否、上をいく強さにマイは驚いていた。
ナルト達の年齢でサスケはずば抜けている。しかし、スピードに至っては、サスケがまったくついていけていない。
写輪眼を使うサスケにマイはボヤく。
『サスケ君もまだまだだね…。だってあれは…ただの体術だもの』
目の前で蹴りあげられるサスケを見ながら冷静に分析する。
「うむ。流石だなマイ。そう、あれはただの体術。リーは忍術が使えないんだ」
『え!?』
ガイの言葉に驚き、再びリーをまじまじと見る。
『だって…あれって…蓮華!!!』
「あいつ!」
蹴りあげた所から蓮華へと繋げようとしているのを、口寄せ亀が止める。
その後ガイが姿を表し、リーを説教すると何やら抱き合い青春していた。
マイはその馬鹿げた暑苦しい光景を驚きの眼差しで見ていた。
忍術が一つも使えない子が表・蓮華…。
あのスピードも…体術のみで極めた…。
『どれだけ努力したんだろう…。辛かっただろうに…。』
そうか…
試してみたかったんじゃない
見せたかったんだ…皆に…
忍術が使えなくても忍になれるって…
ガイの体術はすごいって…
努力が天才に勝てるって…