第12章 中忍試験開始!!
いよいよ中忍試験当日。
他里から受験生がやってきて、木ノ葉へと出入りするため、里の警備に手が取られ、この時期は任務件数がどっと減る。
マイは二次試験から暗部として警護にあたる為、事務仕事に勤しんでいた。
――イルカ先生と…何かあった…?――
あの日カカシからその言葉を聞いた途端、マイは足早にその場を離れていた。
何を言えば良いのか…。
こんなにも頭の中が混乱している状況で、元凶のカカシと向き合う勇気がなかったのだ。
『はぁ…向き合うんじゃなかったの?も~嫌…』
「何に向き合うんだ?」
受け付けに突っ伏して呟いていた独り言に、返事が返ってきた事に驚き、マイは飛び起きるように顔をあげた。
そして…後悔する。
沈んだ気分には何とも重い…濃さ。
「ははは!暇そうだなマイ!俺と青春するか?」
おかっぱ頭に激太の眉毛。いやに真っ白な歯をきらつかせ、マイト・ガイはマイに向かって親指を立てている。
『ガイ…変わらないね…はは』
「そんなことはないぞ!俺は強くなった。しかしマイも強くなったんじゃないか?今度うちの愛弟子達と一緒に手合わせしてもらいたいな!」
周りを気にしない様子にマイは溜め息をつく。
『ガイ…私…ただの受け付けだから!』
受け付けを強調するようにガイを睨み付けるマイ。さすがにガイも気づいたようで、すまんと手を合わせ声のトーンを落とす。
『暇だし…ちょっと話さない?』
マイはガイと中庭へと移る。