第1章 出会いは病院で
「はい、そうです。女性が倒れまして…場所は…」
冷静に状況を伝えていく。
一部始終を見ていた子供たちは、不安そうに立ち尽くしていた。
蜂楽は明るい口調で声をかける。
「はいはーい! 大丈夫だからねー! 兄ちゃんと向こう行こうねー」
子供たちを安心させながら、彼女から遠ざけていった。
数分後、救急車が到着し、女性は担架に乗せられて搬送される。
「お電話をくれた方は?」
救急隊員の問いに、千切が一歩前へ出る。
「俺です!」
「患者さんの身分証はお持ちですか?」
「いえ、多分彼女の下げているカバンに…」
そう答えた瞬間、隊員のひとりが千切の顔を見て
「あっ」
と声を漏らしかけたが、今は勤務中。
その声は喉の奥に引っ込められた。
「付き添いの方はいますか?」
「俺が付き添います!」
千切は松葉杖を手に、急いで救急車のベッドに横たわる彼女の向かいに座る。
「後で連絡する」