第1章 出会い、そして契約
私は銀行からお金を引き出して、彼に約束した場所に急いで向かった。「ココさん」私はココさんの名を呼びながら、ゆっくりと車椅子を漕ぐ。彼は私の方を見てから、また視線を前に戻すがすぐに私を見る。「来たか……夢子ちゃん」彼は私に笑いかける。「うん、約束通りに来たよ」「約束の金は持ってきたか?」「うん、はい……これです」私は彼にお金の入った封筒を手渡す。彼はそれを受け取り確認すると頷く。「確かに3万円だ」彼はそう言って封筒をポケットにしまう。そして、私の手を取り歩き出すと路地裏に向かっていく。「少し歩こうか」彼は私の車椅子を押して歩き出すと、大通りから離れてどんどん人気のない所に連れていき路地裏に入って行く。「どうしたのココさん?ここはあまり人が来ない場所だよね?」私が問うと彼がくすくす笑う声が聞こえる。「ああ、誰にも見られないようにここでやるんだ」「何をですか?」「まだわからないのか?」彼が私の耳元で囁くと私は驚いて目を見開く。「したいんだろう?俺と」そう言って彼が私の髪を優しく撫でると、私は心臓がドキリとして体が熱くなる。「いやいや、まだ夕方だし!まずはデートからにして!」「あ?ちっ!分かったよ、後でするからな?」「うん、デートしてからね」私は深呼吸して心を落ち着けると、ココは私を見て笑う。「じゃあ行こうか?」