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花筏の作る路【鬼滅の刃】

第3章 予感




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キメツ学園高校2年菫組、花凪野さやかは今日も今日とて保健室で委員の仕事をこなしていた。

体育祭が近づいたこの季節、秋めく世界をうっとり眺めたい…などと家を出る時は思っていたのだが、現実ではそういう訳にはいかなかった。



体育祭準備のために学校中が騒ぎ立てている中、そこらここらで怪我人がちょこちょこいるのである。

保健室の珠世先生はいつでも丁寧に仕事をする。どんな生徒にも平等に接していた。

ただ、珠世先生はとても美人なので、先生目当てで保健室に来る男子生徒が後を絶たない。

愈史郎くんはもちろん、さやかもたまにぷんぷんと口うるさくなってしまうが、そんなの当たり前である。


それも相まって、体育祭のこの時期は保健室は常に人が出入りする、人気スポットと化していた。

ただ、珠世先生目当ての生徒には「先生はみんなのもの」という認識があり、アイドルを愛でるファンとして適度な距離が保たれている。


今日のこの時間は珠世先生はいなかった。

(ふぅ、今日はファンたちが来ないから訪ねてくる生徒も少なくて少しゆっくりしてるみたいね。)



しかし、保健室にはたまに厄介な来客もいるのだ。


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