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花筏の作る路【鬼滅の刃】

第2章 夢うつつのあの人




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暗い道をとぼとぼ歩く。

不死川実弥はキメツ学園の数学教師だ。

白髪に血走った四白眼、胸元からは筋肉を覗かせており、初対面では絶対に話しかけられない見た目をしている。

だがそれは見た目だけであった。

今日なんかは残業した挙句、同僚・冨岡義勇の世話を焼いて、家までタクシーで連れて帰ってやった、優しい心の持ち主なのである。

…と本人は思っていた。

実際、生徒たちからは密かに人気がある。
怖い見た目と実際の性格とのギャップで、一度ハマってしまったら抜け出せない沼であることは間違いない。
ただ、大体の生徒は話すまでに到達しないので、ただ単に怖そうな先生であることは確かである。

(……ったく。わけわかんねェな。)


実弥の心がざわついていたのは、先程の冨岡の寝言が原因である。

(……さやかって、まさか…アイツじゃねェよな…?)


実弥には絶対に言えない秘密があった。

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