第2章 夢うつつのあの人
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義勇は不死川との食事の後片付けをしながら、
いつものように考え事をしていた。
実は義勇には前世の記憶がある。
こんなことを言われたら大抵の人間は笑うだろうが、これは本当なのだ。
因みに根拠はない。
俺は前世で鬼を斬る仕事に従事していた。
鬼はそこら中から、次から次に湧いてきて、毎日狩り続けなければいけなかった。
その仕事は鬼殺と呼ばれていて、その仕事に従事する隊を鬼殺隊と言った。
当主は代々受け継がれていて、歴史のある隊であった。
鬼殺にはかなりの技術が必要で、試験突破前の練習段階でほとんどの人間は脱落していく。練習を何度も何度も重ねて、鍛錬したものでさえ、入隊の選抜試験ではほぼ生き残れない。
晴れて入隊しても仲間はどんどん死んでいき、本当にごく一部だけが強く刃を振るえる人材だった。
義勇はその選ばれ者たちのトップ9人「柱」だった。
水柱として、水の呼吸を使いこなし、多くの人を守ってきた。