第2章 夢うつつのあの人
薄く目を開ける。
見慣れた自宅の天井が視界に入った。
「…テメェ、変なところで寝てやがって。生徒に見られたら心配かけんだろォが。」
「……。」
なんだ、不死川か、と義勇は思った。
(家……だっただろうか。)
ちらりと窓の外に目をやった。
夜はとっぷり更けて、月が空にのぼっていた。
「なんでここにいるんだ。」
「あァ?!テメェが教室に倒れてやがったから連れてきてやったんだろォが!何も分かってねェのか!」
(え、不死川が学校からわざわざ運んできてくれた…??迷惑をかけてしまったのか…。申し訳なかったな。)
「……。」
「何とか言えねェのか?!テメェは!教員の癖にそんなところから躾がなってねェのかよ!」
「…………………すまない。」
「っなんっだ!その間はァ!」
(それにしても俺が目覚めるまでかなり待たせてしまったんじゃないのか。それでは不死川に申し訳ないな…。)
「もう帰れ。」
「っ、、テメェ…………!」
「??」
不覚にも怒らせてしまった義勇はなんとも言えない表情で不死川を見た。
不死川の奥歯がギリギリとなった、その時
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