第1章 青の約束(青峰大輝)
今日はナナがバイトで帰りは1人。
帰る前にフラッと行きたくなって屋上に上がった。
誰もいない1人だけの空間。
様々な場所から聞こえてくる放課後の部活動の声や音。
中学の頃もよく屋上上がってたっけ。
高校に入っても、時々ここに来ては昔を思い出していた。
『はぁーっ…』
大きなため息をついたその時…
「ここ、俺の場所なんだけど」
『!?』
振り返った先には…
『青峰…くん…』
元々切れ長の目をさらに細めた青峰くんが睨んでいる。
『ごめんっ!もう帰るから…』
そう言って青峰くんの前を通り過ぎた時、
___パシッ…
『!?』
青峰くんに手首を掴まれて、思わず歩く足を止めた。
どうしていいのかわからず、そのまま立ち尽くしていると、青峰くんが口を開いた。
「…お前、もう足大丈夫なのかよ…?」
『っ…なんで…』
そう。私はあの日、怪我をした。