• テキストサイズ

黒子のバスケ*短編集*

第2章 君だけに(黄瀬涼太)



___

(私のクラスはここかな…?はぁ…緊張する…よし!!)


ガラガラッ…


扉を開けると、賑やかな声とともに一際人が集まっている場所があった。

(何だろう…?)

そう思いながら黒板に貼られた座席表で自分の席を確認し、席へと向かう。


「ねぇねぇ!モデルの黄瀬くんだよね?同じクラスなんて信じられなーい♡」
「黄瀬くん連絡先交換しよー?」

人だかりのすぐ隣りの席だった私は、荷物を机に置き人だかりの中心にいる隣りの席に目線を送った。

『…あ…!』

私の目線に気付き、こちらを見てにこやかに笑いかけてくれたその人は…

「無事合格できたんスね!今日からよろしくッス♪」




___



その日の放課後。

『あのっ…!受験の日、助けてくれて本当にどうもありがとう!まさか同じ高校だったなんて…』

「なんもッス!俺、あの時もう推薦で入学決まってたんスけど、たまたまモデルの仕事であの電車乗ってたッス。」

『モデル…黄瀬…え!?黄瀬涼太くん!?今まで全然気付かなかった…』

「あの日相当パニックになってたッスからね…まぁ、あんなことあったら誰でもそうなるッスけど…。それより今日とか電車大丈夫だったッスか?」

『あ、うん。あれから乗る場所とか気をつけるようにしたの。またあったら…とも思うけど、乗らないわけにもいかないからね。』

「…じゃあ、俺と一緒はどうッスか?」

『…え…?』

「まぁ、俺部活あるし、モデルの仕事も時々あるから帰りは難しいかもッスけど、朝の時間なら…ね?決まりッス♪」

『でも…』

「じゃ、明日の朝あの日と同じ時刻の電車で!またね!レイラっち♪」




そう言って黄瀬くんは帰って行った。



『名前…覚えてくれたんだ…。』





/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp