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太陽と月 【文スト/中原中也】

第1章 再会


「森さんの"娘"として可愛がられていたからねぇ」

太宰さんの言葉に昔の記憶が蘇る…

"白雪ちゃ〜ん!ほらぁエリスちゃんとお揃いのお洋服だよ〜!"

"白雪ちゃ〜ん!私にも笑った顔を見せてよ〜!"

あの頃は何も感じなかったけど、今思えばかなり森さんには可愛がられていた。

「癪だが、太宰の云う通りだ。首領からは手前と糞太宰は生きて連れて戻れと命を受けている」

『じゃあどうして…』

「ふふっ、中也は君を無理やり連れ戻して嫌われたくないのだよ」

「なっ!///」

太宰さんの言葉に判りやすく顔を真っ赤にさせる中也。

私の為に…?

首領である森さんの命を無視してまで私を守ってくれた中也に再び胸が熱くなった。

『中也…ありがとう…』

「ッ!別に///…礼を云われることなんてしてねぇよ。それじゃあ俺は戻る」

「はぁー、おチビさんが格好つけちゃって」

私達に背を向けて歩き出す中也にまたしてもこの人は余計なことを云うのであった。

勿論、地獄耳の中也には聞こえるわけで…

「っるせぇ!!!糞太宰!手前だけは絶対ぇ殺す!!!」

路地裏には中也に怒鳴り声が響き渡るのであった…




去り行く中也の背中を眺める白雪に太宰は声をかける。

「久しぶりの再会はどうだったかね?」

『変わらなかったです…昔と変わらず…』

答えるものの、視線は中也の背中に向けたままの白雪に太宰は小さく溜息をつき、言葉を続けた。

「ポートマフィアに戻るかい?」

『ッ!…いえ、私は探偵社の人間ですから』

白雪の言葉に太宰は安堵した表情を浮かべながら小さく笑ったのであった…



4年の歳月を経て再会した白雪と中也…

互いに想い合うものの、住む世界が違う二人…

この再会をきっかけに運命が動き出すのであった…

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