第4章 約束
ペチンと音と同時におでこにほんの少しだけ痛みが走った。
デコピンされたのだ。
中也を見上げると…
「俺は手前の前から消えねぇよ…漸く手前を手に入れたんだ」
『中也…』
中也には私の頭の中が丸見えのようだ…
頬をそっと撫で乍ら中也は言葉を続ける。
「いいか?手前は俺の女だ。思ったことは素直に云え、我儘なんて思うな。手前の我儘は俺にとっちゃ褒美だ」
『えっ?』
「昔から手前は我儘なんて云わなかったろ?我儘を訊けるのは彼氏の特権だからな!」
中也の言葉に胸が熱くなった。
いいのかな…?
素直になっても…
「素直になりやがれ…手前は俺の女だろ?違うのか?」
綺麗な青の瞳が私を映す…
その瞳に嘘はない…
『中也…中也が欲しい…』