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太陽と月 【文スト/中原中也】

第3章 動き出す時計の針…


『んっ…此処は…ッい"…』

目覚めるとそこは見たことのない場所だった。

そして同時に腹部に痛みが走った。

起きあがろうとすると…

ジャラッ…

『ッ!』

私の右手は鎖でベッドに拘束されていたのだ。




確か、鏡花ちゃんの携帯に着信が入って国木田さんたちと駆けつけて…

"ハッ!…白雪!!!"

"しっかりするんじゃ!!"

そうだ、突然の組合の襲撃…

次々と倒れて行く仲間たち、なんとか反撃を試みるも攻撃を避けることでいっぱいだった。

その時だった。

鏡花ちゃんを守ろうと盾になる姐さんが目に入ったのだ。

身体が勝手に動いていた…

私は姐さんの前に立っていた。

そして…

グサっ…グサっ…

『ぐはっ…』

地面が真っ赤に染まる。

それは自身の血…

倒れる私を支えてくれたのは姐さんだった。

「白雪っ!しっかりするんじゃ!!」

『あ、ねさ…ん…』

「なんと愚かなことを…お前たちは許さん!!!!」

あんな怖い顔をした姐さんを見たのは初めてだった。

そこで私の意識は途切れた…




「漸く目が覚めたかね?プリンセス…」

『ッ!貴方は…』

私の前に現れたのは組合の長、フランシス・フィッツジェラルドだった…


私の嫌な予感は的中したのだ。


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