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太陽と月 【文スト/中原中也】

第3章 動き出す時計の針…


「これが組合の刺客かね?」

「はい」

ヨコハマの街は一歩、路地裏に行けば別世界と化する。

光と闇は紙一重…

血生臭い匂いがあたりに充満している。

中也の目の前には1人の男の死体。

それは組合の職人の1人…

「探偵社に組合…我々もまた困難な戦局というわけだ…最適解が必要だね。探偵社も組合も…」

「首領、1つ報告が…」

「なにかね?」

広津の声に中也は顔の表情が更に険しくなった。

その表情の変化を森は見逃すことはなかった…

「どうやらこの者、"彼女"のことを調べていた模様です」

「ッ…それは厄介なことになりそうだね〜。中也くん、君の出番だ…」

「はい」

「"彼女"を連れ戻しなさい。組合の手に渡る前に…」

「首領の仰せのままに…」

中也の表情は今朝とは全く異なり、まさにマフィアそのものだった。





糞ッ…

まさか俺が西に出張に出ている間に組合の刺客がうちに紛れ込んでいたとは…

おまけに白雪のことを探っていたとは厄介だ。

どこまでの情報を得たんだ?

白雪の情報については極秘扱いだ。

そこまで得てはないだろう…

ポートマフィア内で白雪について知っている者は殆どいない。

何故なら彼女は恐れられていた存在だったから…

彼女に近づく者はほんどいなかった。

そのおかげで白雪の情報を知る者は限られている。

だが気になることはある。

それは何故、白雪のことを調べていたのか…

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