第24章 明日美の後押し
星歌は明日美に、いつものカラオケボックスに呼び出されている。大事な話って…何だろう…?疑問に思いながらも到着して、店内に入る。
「カラオケってご飯もいろいろあるんだね?どれもおいしそう!」
メニューを眺めて目を輝かせる星歌に対して、明日美はいつもよりおとなしく神妙な顔つきで座っている。何かあったのかな…?もしかして私、何かやっちゃったかな…?と少しの不安を星歌は抱く。
注文した料理や飲み物がテーブルに揃ったところで、明日美が静かに切りだす。
「星歌の好きな人ってさ…」
「だから、好きな人なんていないってば…」
星歌は慌てて否定する。また今日もこの話?と思いつつ、ゴッホ展での緒方の姿が浮かび、胸があたたまる。明日美は少し間を置き、目を合わせて言う。
「星歌がゴッホ展に一緒に行ったのって…緒方先生?」
「え…どうして…?」
「緒方先生と白川先生が話してたんだよね。聞くつもりはなかったけど、談話室で聞こえてきちゃって…」
白川先生と…?と、星歌はカフェでの白川の「美術館デート」発言を思いだして、恥ずかしさで言葉を失う。白川先生、知ってたの…?…どう思われてるんだろう…。変だって思ってないかな…。私なんかが緒方さんのこと、好きになっちゃダメなのに…と、胸が締めつけられる。
「とりあえず、冷める前に食べよう?お腹空いたよね」
明日美が穏やかに言う。2人は黙々とポテトやドリンクを口に運ぶ。星歌は熱い頬を隠すようにジュースを飲む。やだ、本当に恥ずかしい…。明日美、私が緒方先生のこと好きになるなんて不釣り合いだよって思ってるよね…。そんなこと、私だって分かってるのに…。恥ずかしくて、情けなくて、泣いちゃいそう…。星歌は俯き、食べる手を止める。明日美はそんな星歌を見て、声をかけた。