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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第14章 次回の約束


 展示を巡り終えた2人は駐車場へ向かう。
「近くでお茶するか。オレの奢りでいいだろ」
 前回と同じように緒方が提案する。
「え、嬉しいですけど…またごちそうになるの、なんか悪いです…」
 星歌は遠慮がちに言って頬を軽く赤らめる。
「気にするな。キミとこうして絵を見るのは楽しいからな。何か飲みながらキミの感想が聞きたい」
「…じゃあ…ありがとうございます。でも、今度何かお礼しますね」
 星歌のピュアな笑顔を見て、緒方の胸に満足感が広がる。
 カフェに入った2人はコーヒーと紅茶を味わいながら雑談する。
「モネの水の表現、キレイでしたね!太陽の光が水面に映る様子が印象的ですよね。ゴッホの水の表現とはまた違った感じで、どちらも素敵ですよね」
 星歌が明るく話す姿に、この子とこうして出かけるのは特別感があるな…と緒方の心があたたまる。また、星歌が初めて日本の100円ショップやコンビニに行って驚いた話なども聞けて、棋院の中でこんなこと知っているのはオレだけだろ?と優越感が湧く。
 夕暮れ、星歌のマンション前。緒方の真っ赤なスポーツカーが静かに停まる。
「緒方さん、今日も楽しかったです! ありがとうございました!」
 星歌が笑顔で言う。この子の笑顔に心を持っていかれそうだな…と、緒方の胸が高鳴る。そして、またこうして彼女の望むところへ連れて行きたいという気持ちも大きくなる。
「なァ、志水くん。行きたいところがあったら、キミから誘ってくれてもいいんだぞ?」
 緒方はさりげなく言う。
「え、本当ですか?」
 星歌は目を丸くして驚き、少し考えてから言葉を続けた。
「じゃあ、テストが終わったらどこか行きたいから、考えておきます!」
 テストか…高校生らしいな…と、緒方は星歌の制服姿や文化祭での浴衣姿を思いだす。
 星歌が車を降り、窓越しに手を振る姿に、次はどんな笑顔を見せてくれるかな…と、緒方の心にはあたたかな感情が満ちていた。
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