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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第31章 バレンタインの報告会


 緒方の帰宅後、芦原とアキラが話をしている。
「芦原さんがチョコの数を競ってくるのは毎年のことだけど、緒方さんのあんな様子は珍しいね」
「緒方さん、好きな子からチョコもらったんだよ」
「緒方さんの好きな人…?」
「アキラも知ってる子だよ。オレより年下だけどしっかりしてて、緒方さんはその子と話すとき、とても優しい顔をするんだ」

 緒方はデパートでホワイトデーの用意を済ませた。
 慣れない行動による気恥ずかしさにソワソワしてしまったが、これなら志水くんは喜んでくれるだろうか…?そんな想像をすると、プレゼントを選ぶのも楽しくなった。また、あの子がバレンタインに碁石風のタイピンを選ぶときも、こんなふうにオレのことを思ってくれていたんだろう…?と、心があたたかくもなる。
 あとは当日の約束をするだけだ。お返しをするとは言ったが、具体的な日時までは決まっていない。バレンタインデーには衝動的に彼女を抱きしめ、ホワイトデーにオレから言うことがあると伝えてある。オレはあの子の笑顔を守る。彼女が高校生であるということについて口さがないことを言うヤツもいるだろう。オレが盾になって彼女を守るし、囲碁で結果を出して全員黙らせてやる。
 バレンタイン後にも何度かカフェを訪れた。2人で話せてはいないが、何度か目が合った。その短い時間でも、オレたちの気持ちは同じだと分かった気がする。白川が反対したって、オレはもう自分の気持ちをごまかさない。
 緒方は決意を固めて、星歌にメッセージを送信する。
「14日の20時、家に来てくれるか?」
何度か読み返して、家以外がいいだろうか?という迷いは出たが、高校生相手にやましいことをするつもりは微塵もない、と自分を納得させる。
 送信ボタンを押すと、スマホをテーブルに置き、ソファに横たわる。どう言うかも考えないとな…。愛の告白なんて初めてだろ…と、先ほどとは違った緊張が訪れる。今まで数人から告白されて、なんとなく付き合ってきたが、どの女に対しても恋愛感情なんてなかった。囲碁一筋のオレが、こんなになるとはな…と自嘲するが、心は幸せな感情で満たされていた。
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