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白と黒のハーモニー【ヒカルの碁・緒方精次】

第25章 彼女の恋人?


 緒方はタバコを買いに売店に立ち寄り、対局室に戻る途中である。棋院の入口に門松が飾られ、1階のロビーには新年の雰囲気が色濃く残っている。今年こそタイトルを…緒方はひそかに決意を固めている。今日の対局も順調であり、新年最初の1局に勝ってはずみをつけたい、そう思っていたところだ、
 星歌が、同級生と思われる男子生徒と親しげに話しながら棋院へと入ってくる。それを見た緒方は、思わず隠れるように後ずさる。星歌はいつも通りバイトへと向かうようだ。近くを通る2人の話し声が聞こえてくる。
「週末、鍋にするから星歌もって母さんが言ってたぞ?」
「OK、じゃあ連絡しておくね!」
 家族ぐるみの付き合いなのか…?まさか…恋人?いや、志水くんは、恋人はいないと言っていた…。だが、最近付き合い始めたという可能性もあるな…。緒方の胸に鈍い痛みが走る。オレ、なんでこんな気分に…と、年の差への葛藤や夢の罪悪感を思いだす。
 男子生徒はエレベーターの前で立ち止まり、ボタンを押して待っている。緒方も対局室に戻るため同じエレベーターに向かうが、このまま一緒になるのか…と、気まずさがある。キミは志水くんの恋人か?と、さりげなく聞いてみればいいのか…?不自然にならず聞けるだろうか…?緒方の中に迷いがある。
 緒方は男子生徒の少し後ろに立つが、どうするべきか決めかねている。男子生徒は振り返り、緒方をチラリと見る。
「緒方先生、こんにちは」
 気さくに話しかけてくる男子生徒に、緒方は一瞬たじろぐ。オレのことを知っている…?誰だ…?低段の棋士か?それとも院生か?そんなことより、お前は志水くんとどういう関係だ…?緒方の胸中には警戒心が芽生えつつある。
 扉がゆっくりと開き、2人でエレベーターに乗ると男子生徒は再び話しはじめた。
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