第9章 思いの丈
私は朝餉を食べずに待っていた
“やっぱり一緒に食べた方が美味しいからね”
そうして待っていると煉獄さんがやって来た
「 ゆあ まだ食べていなかったか!」
「はい、煉獄さんと食べたかったので!」
「うむ、ではいただくとしよう!」
「「いただきます」」
やっぱり煉獄さん家のご飯美味しい♪
思わず頬が緩む
「 ゆあ、昨日の今日であれなんだが、朝餉を食べたら一緒に母上の墓参りについてきてはくれないか?」
「はい、ぜひご一緒させてください!」
そう答えた
ーーー
煉獄さんの家からほど近い場所に
お母様のお墓はあった
瑠火…そう名前が彫られていた
お花はすでに新しいものが入れてあった
“千寿郎くんかな?”
それを取り出すのも忍びないので、
私たちが持ってきた花はお線香代わりに
置くことにした
そして煉獄さんと共に手を合わせる
お母様にご挨拶を終え、煉獄さんをみる
煉獄さんはまだ手を合わせ
お母様とお話しをしていた
それを静かに待っていると
煉獄さんが立ち上がり、声がかかる
「 ゆあ、遅くなってすまない。どうかこれを受け取ってほしい」
そう言って煉獄さんは木箱に入った簪を
差し出す
「 ゆあ の事は、初めてあったあの日から好きだったように思う。だが自分の気持ちがはっきりと分かったのは柱合会議の時だ。あの時からはっきりと、きみを守りたい、いつも側で笑っていてほしい、そう思っている」
「 ゆあ、好きだ」
受け取るよりも先に涙が溢れて
前が見えなかった
こんなにも真っ直ぐな気持ちを
私に伝えてくれる人がいる事が嬉しかった
何よりも煉獄さんが私の事をずっと
ずっと見ていてくれていた…
いつも私の事を一番に考えてくれた
今までの日々が走馬灯の様に思い出される
ハンカチで涙を拭うと
煉獄さんの手から簪を受け取る
「私も杏寿郎さんが好きです。この先何があってもずっと一緒にいたいです。病める時も健やかなる時も、支え合っていきたいです。」
私の言葉を聞き終えると
煉獄さんは私を抱きしめた