第9章 思いの丈
布団に寝かせると
ゆあ がぼんやり目を開ける
ふっと微笑むとまた目を閉じた
その姿がなんとも愛おしく
「 ゆあ 、好きだ」
そうはっきりと言葉にだしていた
ゆあ に届いていなくとも
どうしても今伝えたかった
すると思いもよらない反応があった
「私もです、杏寿郎さん」
ゆあ はそう言うとそっと手を握ってきた
“!?!?起きていたのか!?!?”
“今、杏寿郎さんと呼んでくれたか!?”
「今朝のお返しです」
そう言うと、 ゆあ はクスクスと笑う
もう何の事だか忘れたが
それよりも、何よりも
想いが届いた事が嬉しかった
イタズラな目をしながら俺を見上げてくる
ゆあ の頬に手をやると
ゆあ は目を閉じた
そして静かに口付けた
甘い空気がただよう
もう一度口付けすると
「煉獄さん、一緒に寝ましょ」
そう誘われて、同じ布団に入って眠りについた