第9章 思いの丈
【煉獄杏寿郎 視点】
千寿郎に見送られ、離れへと帰る
ゆあ が歩きながら声を弾ませる
「 私、千寿郎くんの事、大好きになりました♪千寿郎くんは迷惑かもしれませんが、毎日でも会いたいです!」
「毎日でも会いたいか!千寿郎は嬉しいだろうが、俺が一人になってしまうな!」
そんな事を言ってみる
「煉獄さんも一緒に毎日会いに行きましょう♪いつ会えなくなるか誰にも分からないんですよ?私が言うから説得力あるでしょ?」
「ハハハ!確かに ゆあ に言われてしまっては反論の余地はないな!」
“いつ会えなくなるか分からない…か…”
ゆあ は今、元の時代に戻れるとして
どう思うのだろうか
やはり帰りたいと思うのだろうか
離れに着くと、浴室へと向かった
ゆあ に風呂に入るよう伝えに
部屋へと向かう
…居ない…
ドクンと胸がなる
全身の血の気が引くのが分かる
急いで探し回る
まさか…本当にいなくなってしまったのか?
とてつもない不安に襲われる
部屋を全て見て回り、最後に自室に着く
…ここに居なければ…
不安を胸に襖を開ける
するとそこには畳に倒れ込むようにして
眠る ゆあ の姿があった
ホッと胸を撫で下ろす
“良かった…しかしなぜ俺の部屋で寝ているのだ?”
そう思ったが、それよりも布団で
寝かせてやろうと用意する