第8章 煉獄家
【煉獄杏寿郎 視点】
ゆあ が遠慮がちに聞いてきた
「あの、お二人のお母様は…」
“母上については何も話してなかったな”
そう思い出したが
「母上は俺が少年の頃に病で亡くなった!千寿郎もまだ小さくほとんど覚えていないらしい!」
としか答えられなかった
「そうでしたか…お仏壇に手を合わせたかったのですが、お二人のお父様の事もありますし、またの機会に…」
母上の事を気にかけてくれてありがたい
だが、どうにも父上があれでは…
「すまないな…」「すみません」
二人して謝ってしまった
話題を変えようとゆあ が話す
「実はご紹介できませんが、私にも弟がいるんです!たぶん、千寿郎くんと変わらない年だと思います♪」
「何と!ゆあ にも弟がいたか!」
「はい、最近は話す機会がほとんどなかったですが、幼少期は仲がよかったですよ。お二人の仲の良さには負けますが。笑」
俺と同じように弟がいるのか!
会えないのが実に残念だ
ゆあ に似ているのだろうか…
「そうか、会ってみたかったな!」