第8章 煉獄家
障子から朝日が差し込む
“いつの間にか眠ってたなぁ”
ぼんやりと目を開ける
すると隣に煉獄さんの顔が見える
そっか…同じ部屋だったっけ…
眠っている煉獄さんをまじまじ見る
少し癖のかかった金色の髪
キリリと整った眉
すっと通った鼻筋
まるで外国人のようだ
“冨岡さんも煉獄さんもイケメンだ”
などと思っていると
「そんなに見つめてどうした」
目を瞑ったままの煉獄さんに聞かれる
“!?起きてたの!?”
見つめていた事がバレて恥ずかしくなる
「煉獄さんいつから起きていたんですか?」
「きみより先だが?目を開けようにも、きみに見つめられていると分かり開けられずにいた」
「ごめんなさい…」
そう言って視線を逸らして、体を起こす
それから煉獄さんに再び目を向けて
挨拶をした
洗面所で顔を洗い、部屋に戻る
「着替があるだろうから、先に食堂に行っている」
すでに隊服に着替えていた煉獄さんは
そう言うと、部屋を出た
私もワンピースに袖を通し
髪を整え、煉獄さんの後を追う
煉獄さんは座ってお茶を飲みながら
女主人と歓談していた
私に気づくと、手招きする
用意されていた膳の前に座り
食事をはじめる
「 ゆあ 、今日は家に帰ったら弟を紹介したい!」
「煉獄さんに弟さんがいたんですか!?」
「あぁ!母屋に父上と二人で暮らしている」
「そうだったんですか。ご挨拶が遅れて申し訳ないなぁ」
「いや、俺もきみも忙しくしていたからな!中々、時間が合わずだ、仕方がない」
「あの、煉獄さんのお父様にはご挨拶しなくていいんでしょうか」
「父上は訳あって今は人に会わない。だが、その気遣いには感謝する!」
「そうですか…弟さんに会えるの楽しみです♪」
食事を終え、宿を発った