第7章 柱合会議-其の壱
「 ゆあ 、疲れていないか?君の意見を聞かずに連れてきてしまってすまん!」
「いえ、気分転換に行ってみたいと思っていたので何の問題もありません」
「甘露寺は洋菓子を作るのが得意だ!楽しみだな!」
「はい、楽しみです」
…(沈黙)…
先程…お館様の屋敷から…
ゆあ は俺と目を合わせようとしない
会話もしたくないという風で
話しかければ答えてはくれるが…
だが理由は何となく…
確実に…不死川の事だろうと
想像できた
なので言葉を選びながら聞こうと口を開いた
「 ゆあ 柱合会議での事だが…」
言いかけて、甘露寺が戻ってきた
「 ゆあ ちゃん♪煉獄さん♪お待たせしました♪ささ、食べましょ♡」
とりあえず皆で食べる事にする
「「「いただきま〜す」」」
甘露寺が作ったというカステラを食べながら
紅茶を飲む
「 ねぇねぇゆあ ちゃん、不死川さん怖くなかった〜? ゆあ ちゃんが禰󠄀豆子ちゃんのところに走って行くからビックリしちゃった!」
!?!?
思わず飲んでいた茶を吹き出しそうになる
“甘露寺!聞き方ってものがあるだろう!”
そう思っていると、ゆあ が答える
「不死川さん自体は怖くなかったです。それよりも…あの女の子が傷ついて死んでしまうのではないか…その方が怖かったです」
しまった!という様な顔をすると
「いえ、あの、鬼殺隊の皆さまを前にこんな事を言ってしまいすみません。ですが、私は竈門くんではありませが、いい鬼と悪い鬼がいる…そう思えてならないのです。だから…その…」
ゆあ は困っているようだった
“優しいな…ゆあ の強さはこの優しさからくるものなのだな…”
流石の甘露寺も空気を察したのか
話題を変えた
二人は歳が近いという事もあり
短時間ですぐに仲良くなっていた
ゆあ も同年代の女子と話せて
嬉しそうだった
“本当であれば…今頃こうして普通の女子として過ごせていたのだな”
隊士として危険に身を晒している甘露寺
過去にきてしまい一人となった ゆあ
今楽しそうにしている二人をみると
そう思わずにはいられなかった