第7章 柱合会議-其の壱
だが、柱達は納得していないようだった
実弥と呼ばれる人は特に鬼についての憤怒が強く
「お館様、証明してみせますよ」
そう言うと自分の腕を斬り
鬼が自分を襲うように仕向ける
「お館様、失礼つかまつる」
鬼が入っていると思われる背負い箱を持ち
座敷にあがる
私と一瞬目が合うも気にする素振りもなく
刀を背負い箱に一気に刺す
すると
「んんーー!!!」
と女の子の苦しむ声が聞こえた
“え?ちょっと待ってよ…今刺す必要あった!?苦しんでるじゃん!”
実弥と呼ばれる人に怒りの眼差しを向ける
もちろんそんな眼差しは意に介さず
箱を開くと
中から桃色の着物を着た少女が出てきた
少女は竹を口に当てたまま
そして、フゥフゥと息を吐きながら
実弥と呼ばれる人と対峙する
その少女の腕からは血が流れていた
“どうして誰も何も言わないの?”
そう思っていると
「禰󠄀豆子!」
その声に反応するかのように
鬼の女の子はそっぽを向いた
「どうしたのかな」
「鬼の女の子は、そっぽを向きました。不死川さまに三度さ刺されていましたが、目の前に血まみれの腕を出されても噛まなかったです」
「チィっ」
「ではこれで禰󠄀豆子が人を襲わないことの証明ができたね」
そうお館様が静かに言う
それから竈門くんが皆に認めてもらえる為に
頑張るようにとお心を寄せる
実弥と呼ばれる人もそれ以上お館様さまには
逆らう事をせず
「御意」とだけ言った
私はその声を聞き終えると
鬼の女の子の元に走っていた
「 ゆあ 危ない!近寄るな!」
その声よりも早く駆け寄ると
鬼の女の子の手を握る
刺されたと思われる箇所の傷はもう
癒えていたが
女の子は疲れた表情をしていた
思わず抱きしめる
「怖かったね。痛かったね。もう大丈夫だよ」
そう言うと
鬼の女の子はシュルシュルと
幼女の様な大きさになった
「おいお前!さっきからそこにいたが、鬼を庇うのか!?」
そう詰め寄られる
「私は鬼殺隊の隊士ではありません!その私がどうしようと私の勝手です!」
自分でも驚くほど感情を表にだしていた
「炭治郎の話はこれでお終いにしよう」
お館様がそう言うと
隠の人が現れる
鬼の女の子は私の腕の中で安心したのか
ウトウトしだす
そっと箱の中に戻してあげると
隠が背負い去って行った