第6章 鬼殺隊とわたし
お茶を淹れた急須と湯呑みをお盆にのせ
居間へとやってきた
ゆあ は俺の顔をみると
心配そうな表情になる
“任務の後の疲れが顔に出ているか…気遣わせてしまったな”
湯呑みを取り、お茶を飲む
「引き留めてすまない、ゆあ が眠れていない様子だったので声をかけてしまった」
本心はゆあ とただ話がしたかっただけなのだが、わざわざ理由付けをしてしまう
「いえ、お茶にお誘いいただけて嬉しいです。私は試験前によく徹夜もしていたので、起きていることは意外と平気です…ただ明日は寝坊するかも知れませんが…」
そう言って笑うゆあ を見て
温かい気持ちになり
自然とこちらも笑みが零る
うんうん、と頷きながらお茶を飲む
「して、先程まで部屋で何か書き物をしている様子だったが…」
「え!?あの時にはもうお帰りだったんですか?」
「ああ、風呂にも入り部屋で休もうと思ったら明かりがついていたので気になってしまった」
「全く気がつかずに、すみませんでした…あれは自分の頭の中を整理するために書いていました。完全に頭の中の混乱が無くなった訳ではありませんが、今自分がすべき事は見えてきました」
ゆあ の纏う雰囲気は
おっとりと柔らかいのだが
どこか真っ直ぐな芯の強さがあった
それはきっと自分自身で考え
進むべき道を歩んできたからな様に感じた
「そうかそうか!それは良かったな!」
再び笑みが零る
「あの…私も煉獄さんに聞いたい事が…」
ゆあ そこまで言うと
俺もきちんと話さねばと意を決する
「うむ、俺もゆあ には鬼殺隊についてきちんと話しておかねばならないと思っていた。だが俺は説明が得意な方ではない。冨岡にも同席してもらい話すつもりだった。だが、どちらも急ぎ任務に行かなくてはならなくなり話す機会を失ってしまった…大切な事なのに遅くなってしまい、すまない」
「いえ!そんな!」
慌てて ゆあ は否定する
それから俺は
鬼殺隊について話した