第6章 鬼殺隊とわたし
【煉獄杏寿郎 視点】
思いの外早く任務が終わり
足速に帰る
玄関に入り風呂へと直接向かう
風呂を沸かしている間に
少し水を飲もうと台所へ向かう
水を飲み、ふぅと息を吐く
最近の隊士は中々に弱い
呼吸をつかえるものも少ない
このままで大丈夫なのだろうか…
鬼のいない世界になると分かっていても
今、鬼と対峙している現実からは
それがいつになるのかは窺い知れない
ますます心配になる
風呂に浸かりながらもその事ばかり
考えていた
風呂から上がり部屋で休もうとすると
ゆあの部屋に明かりが付いている事に気づく
そっと気配を消し近づくと
何やら一生懸命書き物をしていた
“随分と集中しているな”
そう思っていると
ゆあ は書いていた手を止めて
伸びをすると立ち上がり
こちらへと向かってきた
スッと柱の影に身を隠すと
ゆあ は気づかずに台所へと向かう
静かに後を追う
水を飲もうとしている所だった
「ゆあ 、眠れなかったか?」
そう声をかける
ゆあ は大層驚いた顔をしたが
「煉獄さん!帰ってたんですね!気づかずにすみません!…良かった…ご無事で…」
そう言って微笑む
「あの、煉獄さんもお水飲まれますか?」
「いや、ゆあ が良ければ茶でも飲みながら少し話したいのだが…」
「私はかまいませんが煉獄さんはお疲れだと思いますので、居間でお待ちください。私がお茶を淹れてお持ちしますので」
その言葉に甘える事にし
居間へと向かった