第6章 鬼殺隊とわたし
なるほど…
だから記録にほとんど残らないと…
でも本当にそれでいいの?
隊士達は命をかけて闘っているのに?
私達は彼らに知らず知らずのうちに
守られていたのに?
急に自分の無知が恥ずかしくなった
蕎麦屋で話したあの時、
煉獄さんが一瞬寂しさにも似た顔をしたのは
今の私と同じ事を思ったからではないか
何も知らなかったとはいえ
なんと残酷な事を言ってしまったのだろうと…
そう考えると胸が苦しくなった
煉獄さんが続ける
「俺が話せるのはこのくらいなんだが、 ゆあ から何か聞きたい事はないか?
なんでも構わない。できうる限り話そう」
「私は…自分自身が恥ずかしくなりました。学問として歴史を学んでいた筈なのに、鬼殺隊の事を全く知らなかった。
だから…私…お館様と言う方に会ってみたい!そして鬼殺隊の事を書き残していいか聞いてみたい!」
私のこの言葉を聞いた煉獄さんは
大きく目を見開き
大層驚いた、と言った顔をしている
「うむ、わかった!お館様にお会いできるよう聞いてみる!」
そう言って煉獄さんは微笑んだ
話終わる頃には
東の空が白み始めていた
寝坊しても構わないからゆっくり寝るようにと
煉獄さんに言われる
そうして部屋へと各々戻っていった