第6章 鬼殺隊とわたし
「試験とはどんなものなのだ?」
そう聞かれ
「今私は大学で民俗学を学んでいるのですが、その試験ですね。あとは語学など…ですかね」
「そうか、ゆあ は高等教育を受けているのだな。話し方などから教育を受けていると思っていたが…なるほど」
そう言うと
うんうん、と頷きながらお茶を飲む
「して、先程まで部屋で何か書き物をしている様子だったが…」
「え!?あの時にはもうお帰りだったんですか?」
「ああ、風呂にも入り部屋で休もうと思ったら明かりがついていたので気になってしまった」
「全く気がつかずに、すみませんでした…あれは自分の頭の中を整理するために書いていました。完全に頭の中の混乱が無くなった訳ではありませんが、今自分がすべき事は見えてきました」
「そうかそうか!それは良かったな!」
嬉しそうに微笑む煉獄さんをみて
私も頬が緩む
「あの…私も煉獄さんに聞いたい事が…」
そこまで言うと
「うむ、俺もゆあ には鬼殺隊についてきちんと話しておかねばならないと思っていた。だが俺は説明が得意な方ではない。冨岡にも同席してもらい話すつもりだった。だが、どちらも急ぎ任務に行かなくてはならなくなり話す機会を失ってしまった…大切な事なのに遅くなってしまい、すまない」
「いえ!そんな!」
慌てて否定する
それから煉獄さんは
鬼殺隊について丁寧に話してくれた
鬼は平安時代に鬼舞辻無惨が生み出した事
鬼は元は人であったという事
お館様と呼ばれる人がいる事
鬼を倒すために呼吸を使う剣士が現れた事
その剣士の教えから派生してさまざまな呼吸が生まれ、それを覚え極めた者が柱になる事
鎹鴉という本部からの通達を伝えるための鴉がいる事
どれも私の知らない事ばかりだった
“ どうして歴史に残ってないの?”
ふとそんな疑問が浮かんだ
煉獄さんはそんな私の疑問が分かるのか
「鬼殺隊は政府非公認の組織だ」
と言った