第6章 鬼殺隊とわたし
【煉獄杏寿郎 視点】
…今日は雲が多いな…
暗闇の中を走りながら思う
明日からの予定だったが
隊士達の怪我が多発している
命を落とす前に、と
急遽任務の連絡がきた
ゆあ に鬼殺隊について話す前に
出陣ことになってしまった
ゆあ のように上手く説明する自信がなく
冨岡に同席してもらい話すつもりだったのだが…
…鬼をしらない…
あの時の言葉を反芻する
しかし松をみて驚いていたな…
無理もないか。言葉を話す鴉だからな
お館様より遣わさる鴉達
隊士に一羽ずついる
松に声をかける
「任務地は分かっている!それよりもゆあ を見守っていてもらえないだろうか!」
そう告げると、松は「ショウチシタ」と言って
飛び立って行った
家を発つ際
案外ゆあ はすんなり送り出してくれた
鬼に対しての恐怖や不安が薄いからなのか
はたまたこの時代への過剰適応か
どちらにしても
“なんだかそれはそれで寂しいな”
ふとそんな感情が芽生える
“早く倒して帰らなければ”
足早に廃寺に向かった