第6章 鬼殺隊とわたし
二人の食器を片付ける為に台所に向かう
煉獄さんに頼み込んで
これは私の仕事としてもらった
シンと静まり返る台所に
少し怖さを覚える
“さっさと片付けて今日は寝よう!”
手早く洗い物を済ませると
顔を洗い、歯を磨いて、布団に入る
音のない世界が広がる
この時代にきてからまだ3日しか経っていないのに、もう何ヶ月もこの時代で過ごしているかのような感覚だ
布団に入り考えるのは
帰る術を探す事
次に、帰れなかった時に
どう生きるかという事
最後に、煉獄さんの未来を守るには
どうしたら良いかという事
一つ目は全くと言っていいほど思いつかない
ケガをしたら帰れる?こっちの時代の地震に遭えば帰れる?そんなわけ無いか
二つ目はこの家を出るにあたり何か仕事を探さなければならないが、そうは甘くない。令和の時代よりも女が働く事に制約が多く、身元保証人なども必要だからだ
三つ目、これは私の中では自分の事より早く解決しなければと考えている。なぜなら私と出会ってしまった時点で、煉獄さんの未来が大きく変わってしまった可能性が高いからだ
ふぅ、と息を付く
あ!そういえば!と思い出し、
布団から出ると、バッグの中から
メモ用紙とペンを取り出す
ジャーナリングを始めると
だんだんと頭の中がスッキリしだす
ただひたすらにペンを走らせる
気がつくと長い間没頭していたらしく
喉の渇きに気づく
…お水でも飲もう…
と腰をあげて台所に向かった