第4章 生活のはじまり
屋敷の門をでると
そこには舗装はされていないがキレイな道があった
「こっちだ!街の方まで少し歩こう!」
そう促される
少し歩いたところで商店が見えてきた
人もさほど多くはないが
チラホラと歩いている
想像していたよりも洋装の人はいたが
街ゆくご婦人は和服姿が目立った
“幸か不幸か…浴衣着ている時で良かったぁ。令和の洋服着てたら絶対に浮いちゃうよ”
そんな事を考えていると
一軒の呉服屋の前に着いた
…だよね…着物になるよね…
そう思ったのだか、私は着物が着れない
正確には着方がわからない
浴衣は工程が少ないが着物は多く
なかなか覚えられないでいた
…こんな事ならちゃんと学んどくんだった…
だが今更後悔しても遅い
意を決して、
呉服屋に入ろうとする煉獄さんの袖を引く
「あの、煉獄さん!お恥ずかしながら、私一人で着物を着ることが出来ないんです!不躾なお願いになりますが、洋装を買っていただけないでしょうか!」
思わず懇願していまう
「よもやよもやだ!確認をせずにすまん!では洋装店に行こう!」
そう言って踵を返す
「ありがとうございます…」
とても申し訳ない気持ちだった
何故なら大正時代の洋装は高級品
モダンガールはまだまだ一部の上流階級の
装いだったからだ
あ〜!!!お金が欲しい!
こんな風に自分が思う日がくるとは…