第1章 神様のいたずら
「本日は第◯◯回隅田川花火大会の日です」
テレビから聞こえてきた
私のためにあつらえてくれた浴衣に袖を通す
あんたは和服が似合うからね。反物から作ったよ。
そう言って祖母が送ってくれたものだ
黄色地に青い朝顔が描かれている
「おばあちゃーん、見える?すごく可愛いのをありがとう!」
テレビ通話をしながら祖母に見せる
「良く似合っているねぇ、気に入ってくれて嬉しいよ」
「これから友達と花火大会に行ってくるから写真を撮って、おばあちゃんにLINEするね」
「気をつけて行くんだよ、変な人について行かないようにね」
「ハハハハハ。おばあちゃん、私もう大学生だから!」
そう言って通話を切った。
祖母はいつも私を気にかけてくれている
孫娘が私だけだからと、なんでも買ってくれて、
成人式の着物も用意してくれるらしい
この浴衣も花火大会に行くと話したら
用意してくれた
お母さんはきっとこうはしてくれないんだろうなぁ
そんな事をふと考えてしまった