第4章 生活のはじまり
【煉獄杏寿郎 視点】
まだ夜もあけきらぬうちに部屋をでる
道場に入り正座をし姿勢を正す
ふぅ
精神統一をした後に竹刀を持ち
力一杯振り下ろす
毎日の日課である鍛錬だ
戸の外に気配を感じる
「炎柱さまおはようございます。朝餉の準備をしに参りました」
そう声がかかる
隊から柱にのみ派遣されている
身の回りの世話をしてくれる者だ
「うむ!おはよう!実は今日は折り入って話がある!」
「はい、なんでございましょう」
「実は昨晩から人を一人預かっている。その者の分もこれからしばらくは用意を願いたい」
「かしこまりました」
特に深く聞くでもなく、聞き入れられた
再び竹刀を手に持つと
昨晩の事を思い出す
ーーー
「 ゆあ !風呂に入るか?案内するぞ!」
そう声をかけたら
ゆあ が困ったような表情になる
「あの…大変ありがたい申し出なのですが、私は寝巻きも着替えもありません」
“しまった!またやってしまった!
どうにもこういった事に気が回らない”
「すまん!また考えが足らなかったな!
今日の寝巻きは男ものだが俺のを使うといい!
着替えは明日起きたら街に買いに行こう!」
そう言うと
「ありがとうございます♪助かります!」
と素直な返事が聞けた
男物の寝巻きをキレイに着たかと思うと
「おやすみなさい」と言って部屋に入って行った
眠れないのでは無いかと心配になり
聞き耳を立てる
やはりなかなか寝付けないといった風で
寝返りを打つ音が聞こえる
しかし、しばらくすると
規則正しい寝息が聞こえた
“眠れたか”
それを聞き安心し、俺も眠りについた
それが昨晩の事である