第4章 生活のはじまり
チチチチ…
ちゅんちゅん…
障子の隙間から朝陽が入る
まだ頭がぼんやりする
う〜〜ん と伸びをすると
襟を直しながら布団から出る
窓を開けると
気持ちのいい風が入ってきた
布団を畳みながら
昨晩の事を思い出す
ーーー
「 ゆあ !風呂に入るか?案内するぞ!」
そう言われて戸惑う
「あの…大変ありがたい申し出なのですが、私は寝巻きも着替えもありません」
そう答えると
「すまん!また考えが足らなかったな!
今日の寝巻きは男ものだが俺のを使うといい!
着替えは明日起きたら街に買いに行こう!」
そう言ってくれた
“ここで遠慮するのはなんか違うな…”
そう思い
「ありがとうございます♪助かります!」
と素直な気持ちを伝えた
それが昨晩の事
ーーー
今が何時なのか分からないので
そっと襖を開けて部屋をでる
トイレに行ったあと
洗面所で顔を洗い
部屋に戻り昨日着ていた浴衣に着替える
“大して汗はかいていないけど、何となく匂いが気になるなぁ”
そう考えていた
“あ!持ち歩き用の香水をバッグに入れてたんだ!”
そう思い出し、カバンの中を探す
小さなパレットに入っている練り香を
ほんの少しつける
桜の香りがほんのりと辺りを包んだ
「ゆあ !おはよう!」
廊下から煉獄さんの元気な声が聞こえる
「おはようございます、煉獄さん!」
襖を開け、元気に挨拶をする
煉獄さんは元気がいい事に安心したのか
ニコニコとしながら続ける
「よく眠れたみたいで良かった!朝餉ができている!ともに食べよう!」
そう言って居間へと促される
居間に入ると一人一人の膳に
白米、味噌、漬物、魚
などが用意されていた
「これは隊から派遣されている者が作ってくれた!遠慮せず食べるといい!」
膳の前に座り、手をあわる
「「いただきます!」」
そうして食事が始まった